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美しき銀の刃

第5章 光は闇に消える


俺は一歩前に出た。

「旦那。」
「沖田、お前は神楽と新八を安全なところにやれ。俺は、緑と戦う。」

沖田はまだ困惑していたが、それでも走っていった。

「………さて。緑……、お前どうしたんだ。」

俺は構えた。

緑は真剣を持って、俺の前に立ちはだかる。

「………あれれ、緑。お前、真剣持つのは嫌いだったんじゃなかったかあ?」

緑は何も言わない。

そして、ついに襲い掛かってきた。

まず、真剣を腹に当てようとしてきたので、後ろへ下がる。

次は上、下、右、左………。

速い。

まるで風を切るようにして剣を振るっている。

俺は上へ逃げたり、下にかわしたりしていた。

緑の顔は無表情。

その顔には冷徹さを感じる。

「緑……、お前本当にどうしちまったんだよ。」

彼女は何も言わない。

ただ、ひたすらに剣を振るっている。

ダメだ、これじゃあらちがあかない。

俺も攻撃に移った。

まあ、全部かわされてしまっているが。

元白夜叉と元黄色い悪魔だ。

そりゃ、まあ、熱烈な戦いにもなるだろうて。

元々、俺やヅラや高杉より、緑は強かった。

ただ、歳が増えるごとに、それはだんだんと逆転していくことになった。

緑は相変わらず強かった、ただそれがもし『女』じゃなけりゃあよかったんだ。

あいつは男女差別が大嫌いだ。

だから、昨日も飛び出していってしまった。

俺もそれに気づいたのが、今日だったもんだから、何がなんだかというかんじだった。

「緑……なあ、緑………。」

反応はない。

向かい合わせになり、剣を構える。

「なあ、緑……どうして……。」

すると、向こうからきた。

俺は次の瞬間こう言った。

「…………俺が斬れなくなったんだ?」
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