第4章 絆という名の光
「痛ってーな!こんちきしょー!!」
俺は神楽に向かって叫んだ。
「情けない男共アル。女で子供なのに、私は開けられたヨ。なのになにアルか、おまえら情けない以前に、ダメ野郎アル。」
「いや、てめえは女というより厭女でしょーが、勘違いすんじゃねーよ。」
「ああん!?それ、ついさっきも書いてたアル、ぶっ殺すゾ。」
ぎゃーぎゃー再びわめきだす。
まあ、神楽のおかげでこの門も開けられたしな……。
「何やってんですか、早く中に入りましょうよ。」
新八だけが中に入っていった。
「……眼鏡が目立つとか、まじうざ。」
「あれえ?!神楽ちゃん!?なんか、標準語でひどい言葉が聞こえたよ!?」
新八は半泣きだ。
「…………あれ……。」
沖田がふいに止まり、上を見上げた。
俺も神楽達も見上げる。
そこには。
「……みー……ちゃん?」
神楽は震えていた。
緑が手と足を拘束され、宙に引き上げられている状態でいる。
「……なんてひどいことを……。」
新八も驚いている。
神楽が走って、緑の縄をほどこうとしていたので、新八は後に続いた。
俺と沖田はというと。
「………旦那、山崎が言っていた奴がいやせん。」
「警戒しろ、何かあるはず………」
そう言おうとした瞬間、はっとして神楽達のほうをむいた。
「おい!新八、神楽!危ねえ!!」
………と叫んだ頃には遅かった。
緑の縄をほどいた瞬間、緑が二人を左右に殴った。
もちろん二人は壁に激突、気絶している。
「姉……さん………?」
沖田は今起きたことに、混乱していた。
それは俺もだが。
「………緑、どうしちまったんだ。」
緑は何も答えない。
ただ、目の輝きが失われているだけだった。