第4章 絆という名の光
そう言うと、男はニヤニヤ笑う。
「大丈夫ですよ、あなたには致しません。」
「じゃあ……、一体誰にすると言うのよ!」
すると、男は私の後ろを指してこう言った。
「あなたのクローンにしますので。」
「!」
私は後ろを向く。
すると、私は鏡をみているのかわからないくらい、私によく似た子が寝転がっていた。
いや、違う。『私』がだ。
「こいつが……、クローン………。」
先程からの妙な気配は、私自身だったのだ。
「そうですよ。こいつにワクチンを使うんです。」
そういって、注射器をだす。
「まあ……、緑さんが暴れたのに変わりはないので、いいんじゃないでしょうか。」
「やめろ……!」
だが、注射器はすでに、クローンの首元を刺していた。
「………最低……。」
「いいえ、最低なのはあなたたちですよ。」
すると男はクローンを拘束し、抱き抱えた。
「なぜ…。」
「なぜってそりゃあ……。」
男はこの無機質な部屋にでる前にこう吐き捨てた。
「………仲間がたくさん、幕府や天人に殺された。それなのに、あなたはそのどちらとも一緒にいる。それのどこが最低じゃないのでしょう。」
私は、返す言葉も出てこなかった。
~銀時SIDE~
倉庫のどでかい門の前に立ちすくむ俺達。
この門は、押しても引いてもびくともしない。
「だ…旦那あ……。この門開けるだけで、体力使ってしまいそうでさあ…。」
「いや……そうだけど……。」
すると、後ろから嫌な音が。
振り返ると、全速力で走ってくる神楽の姿。
「あれ……、チャイナ俺達めがけてきてやせんか。」
「え!ちょ、待て待て待てよ、神楽あ!」
そう言ったのもむなしく、俺達は門と神楽に挟まれ、ペタンコになった。