第1章 追憶
ただ、あの大声に気が付いて、銀髪の天パがやってきたことは覚えてる。
私が何をしゃべったか、何を言ったかなんて覚えていない。
気が付いたらふとんだった。
左隣には銀髪の馬鹿、右隣には長髪の馬鹿、壁には土佐の馬鹿と、紫の馬鹿が寝ていた。
私の額には濡れた麻の布きれがあって、頭の近くには水がはった桶がある。
「…どうして…?」
そうつぶやいた。
~銀時SIDE~
何かの大声が聞こえた。
「…何かあったのか。」
隣にいたヅラが警戒する。
「…ありゃ緑の声だ。ちょっくら見てくる。」
「ああ、気をつけてな。」
ヅラが言ったのと同時に晋助と辰馬も目で合図する。
……もし緑の声だったら?
いや、ありえねえだろ。あいつはそんなちっさいことで大声をだす奴じゃあねえ。
この男しかいないなかで、紅一点でずっと戦ってきてるやつだ。
だんだんと声が聞こえた現場までやってくる。
そこにいたのはやはり緑だった。
「…緑。どうした。」
俺が名前を呼んでも、何も答えない。おかしい。
俺は近くまで行ってみた。それでも何も起きない。
俺は少し困ったが、少し肩を触ってみる。
すると、緑はいきなり「うあああああああああ!」と叫びだした。
汁