第4章 絆という名の光
やっと新八が口を開いた。
「…あの、銀さん、何かないんですか?」
「……。」
俺は考えた。
いつもあんなに元気そうにふるまっていたのに。
しかも、この俺に隠し事をしていたなんて。
だが、緑は隠し事の多い奴だ。
昔も、黙っていたせいで、よく危険な目にあっていた。
そんな性格は今になっても変わらないだろう。
「…おい、あいつは今どこにいるかわかるか?」
神楽はピクッと動いた。
「あ~、わからないアル。昨日はここから少し離れた公園にいたネ。でも、泊まるって言ってたから、きっと別の場所にいるかもしれないネ。」
俺は立ち上がって木刀を持った。
「銀さん…。」
「あいつを連れ戻したら、とりあえず説教してやんないとな。」
神楽と新八は笑う。
「そんなことしたら、またケンカになりますよ。」
「ふん、勝手にでてったあいつも悪いだろ。お互い様だ。」
そして、玄関に行こうとしたとき。
ピーンポーン
チャイムが鳴った。
「あ!緑さん、帰ってきたかもしれませんね!!」
新八が走って玄関に行く。
「みーちゃんまったく遅いアルな!」
神楽も笑顔だ。
すると、新八は後ずさりしながら帰ってきた。
「おい、どうした新八。」
「え…いや…。」
するとあとから刀を持った沖田総悟がやってくる。
「あれ…?沖田君、どしたの。」
「…旦那あ、緊急事態なんでさあ。ちょっといいですかい?」
沖田は刀をしまい、ソファーにどっかり座る。
「おい、ドS野郎。ここは万事屋銀ちゃんアル。真撰組じゃあないアルよ。」
「うるせえな、いいから聞けよ。…旦那、なんで木刀に手かざしてんですかい?」
はっとして自分の手を見る。
どうやら無意識のうちに木刀に手をつけていたらしい。
「…いや、てめえさあ、人の家なんだからよお、そのさあ…。さっきからだしてる殺気、やめてくんないかな?」
すると今度は沖田がはっとした。多分、自分では気づいてなかったのだろう。
「…すいやせん、こっちもピリピリしてやしてね。」
「んで?用件はなんだ?」
すると、沖田がくやしそうな顔をしてこたえた。
「……姉さんが、攘夷浪士に誘拐されたんでさあ。」