第4章 絆という名の光
~銀時SIDE~
〜時間を前にさかのぼる〜
「……みーちゃん帰ってこないネ。」
神楽がポツリと言った。
あれから丸一日がたっている。
新八も少し心配した顔をしている。
「あいつが決めたことなら、それでいいじゃないか。」
俺は窓を見ながら神楽にそう言った。
「でも……でも銀ちゃん、みーちゃんは帰ってくるって言ったアル。」
「帰ってきたくなかったんだろ。」
すると神楽が俺の目の前にくる。
「約束したアル!だから絶対帰ってくるネ!!」
俺はそっぽを向く。
そして、ボソッと言った。
「……………どうしてこうなったんだかな。」
新八も神楽の隣にくる。
「全く………、銀さんがあんなにキレることはなかなかないですけど、あんたら二人がケンカすること自体が珍しいですし。…何かあったんですか?」
俺はため息をついた。
「…まあ、俺もイライラしてたしな、昨日は。」
「イライラって…、本当に何かあったアルか?」
「……なんか、嫌な夢をちょっと…な?」
俺は昨日の早朝、うなされて目が覚めた。
そのあとは、寝ようと必死に目をつぶってたら、緑が来た。
まあ、どうせ起きるつもりだったもんだからよかったんだけどな。
「…ねえ、銀ちゃん。」
神楽が少し困った顔をしながらソファーに戻る。
「あんだよ。」
「あのね、銀ちゃん。みーちゃんは…。」
続きを言おうとしているのか、少しうろたえている。
「いいから言えよ。」
「みーちゃんは毎日うなされてるヨ。」
は?
「みーちゃんはネ、いつも朝早くに大声だして起きてくるアル。そのあと、下りてくるとネ、ふらつきながら必ずお風呂に行くヨ。顔は青ざめてるし、体中汗まみれアル。いつも影で見てるヨ…、みーちゃん可哀想アル…。」
新八もどうやら驚いているらしい。
それはもちろん俺もだったが。
万事屋には静けさが走った。