第3章 己の中の魂
~緑SIDE~
暗い暗い闇の中。
どこへ向かおうが闇だ。
そんな中、私はどうやら光りを探していたらしい。
もう見つけているはずだった。
見つかっていたはずだった。
なのに私はまだ手探りで何かを探している。
『私達に頼ってくれないネ。』
そんな声も、どこかで聞こえた。
『魔女……魔女め……。』
そんな声も、何度も聞いてきた。
聞き飽きた。
『まるであの女、黄色い悪魔だな。』
ああ、もうその名はいやだ。
私はただ平凡に暮らしたかっただけなのに。
どうして、どうして。
泣けない、泣かない。
私は………私は………。
暗闇の中で気を失う私。
前には誰かが立っている気がした。
目が覚めるとそこは床。
灰色の床だ。
どうやらここは、古い倉庫らしい。
私は手を後ろで結ばれ、さるぐつわをされている。
………女の子になんてことを。
にしても、倉庫ということは、港に近いのだろうか。
あんなにたくさんいた彼らのいる気配はない。
ただ、何かに見られている、そんな気はした。
後ろから。
すると、案の定、後ろから声が。
「おはようございます、緑さん。」
ああ、あのリーダーみたいな奴。
こいつに名前を呼ばれるのは吐き気がする。
「なかなかの居心地じゃ、ありませんか?ねえ?」
そんなわけないだろっ!と言いたかったが、口をふさがれている以上は何も言えない。
「今からきっと、あなたの大切な人がたくさんくるんじゃないですかね?」
だから何なのよ。
と言いたかったが(以下略)
「ふふふ………あなたには本当に我々の仲間になっていただきます。」
はあ?!
「大丈夫です、あまり痛くありませんから。ただ……。」
そう言って注射をだす。
「ただ、あなたには暴走してもらって、大切な方を殺していただきます。」