第20章 終わって始まる
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
「みたいな?」
「いや、「みたいな?」じゃねえよ!!!!なんだよそのシリアスからのチェンジ!!!!!ついていけねえよ!!!!」
すかさず、新八からのツッコミがはいる。
「いやまあ、このあとなんやらかんやらあったわけよ。」
「そのなんやらかんやらを僕達は知りたいんですよ!」
新八も神楽も、気になった顔でいる。
…その雰囲気にそぐわないものが一名。
「沖田君は、あんまり興味なさそうだね。」
「……そういうわけじゃありやせんけど。」
すると、神楽がむきになりだす。
「オオウ?!!あれだけ「姉さーーーーん♡」しといて、今更みーちゃんに興味なくしたとか、まさかそんなんじゃねーだろうな?!!ああん?!」
「神楽ちゃん、標準語になってるよ!」
「………興味がねえわけじゃねえ。ただ…。」
そうつぶやいて、視線をこちらに戻す。
「ただ?」
「ただ………。旦那が話したくねえ理由でも、あるんじゃねえかって…、そう、思っただけでい。」
…わあ、沖田君すごーい。
声に出したいくらいだ。
まあ、そんなこと言わねえけど。
沖田君がそんなこと言うもんだから、新八も神楽も気にしだしたじゃねーか。
「言いたくない…理由って、本当にあるんですか?」
「んーー?まあ……ねえ…。」
少し、視線を緑にやる。
「みーちゃんが…、嫌がるとか、そんな理由アルか?」
神楽も、少し悲しそうな顔をしている。
「…まあ、そういうことだよ。」
俺は静かに告げた。
「それに。沖田君には言えない事情とかもあんの。」
「俺にですかい?」
沖田君が怪訝そうな顔をする。
「おう。一応、沖田君は幕府の人間だからね。」
そう。この先は、幕府に知られちゃいけねえことなのさ。
特に、姉想いのシスコン沖田君には、余計に。
「そう……ですかい…。なら……仕方ないですねい。」
「わりい。もし、知りたくなったら…。」
俺は、緑の手を握る。
「こいつにでも直接、聞いてくれ。」
それっきり、俺達は何も話さなかった。