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美しき銀の刃

第20章 終わって始まる


『  拝啓 みんなへ


 馬鹿な私を、どうか、どうか許してください。
 
 私は本当に、愚かです。

 あなた達を置いて一人、この戦場から立ち去ること、

 許してほしいのです。

 許してもらわなくても構いません。

 でも、もう私は、あなた達のそばにはいれない。

 あなた達と一緒にいると、楽しいはずなのに、なぜか

 殺気がわいてくるのです。

 まるで、私が私じゃないみたいに、なるのです。

 今まで必死に我慢してきました。

 怖がられるのが嫌で、黙っていました。

 その分、たくさん、たくさん助けてもらいました。

 本当に、ありがとう。

 みんなに支えらて、私は幸せ者でした。

 もう二度と、みんなには会えないかもしれない。

 もう二度と、あの日のように、幸せな日々はなくなるの

 かもしれない。

 笑って、怒って、泣いて、笑って。

 いつもそばにいてくれた、大事な人たちだからこそ。

 さよなら、しなくちゃ。

 幸せでした、ありがとう。

 勝手にいなくなって、ごめんなさい。

 さようなら



                  緑       』


読み終えた瞬間、ヅラと晋助はすぐさま部屋を出た。

この手紙を持って、ヅラの部屋に行った俺は、緑がいなくなったことを説明したあとに、この手紙を読んだ。

俺も、ゆっくり部屋を出て、屋敷を出る。

小さな希望を信じて。

緑を、探しに行った。
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