第2章 時経てど
「…明日には帰ってきてあげるから。」
「絶対ヨ??!」
神楽の心配はそこにあったといえる。
普段、私と銀時と神楽で寝ているから、もし私がいなくなれば銀時が神楽に何をするかわからないということだ。
(まあ、あいつロリコンじゃないし、そんな変態だとも思えないが。)
「じゃあ、また明日アル!」
「またちんぴらに絡まれたりしないでよ~!」
神楽はがっつポーズをすると、公園からでていった。
ズキッ!!
またいきなりの頭痛に襲われる。
針山で刺されたような、鋭い痛みに唸り声をあげる私。
こんな姿、誰にも見られたくない。
もう時間は夕暮れ。人はもう、夕食の準備にとりかかっている時間だ。
少しはなれてところに行くにしても、ここはかぶき町。迷路のような街だから、何時間もかかる。
しかも、頭痛が激しかった私にとっては、ここにたどり着くまでに何時間もかかってしまった。
「…とりあえず、今日はマダオにでも助けてもらおうかな。」
確かあいつの家(段ボール)は、この近くの橋の下のはずだ。
私はそこまで、重い足取りでむかった。
-しばらくして―
「長谷川?」
私は、橋の下にいるホームレスに聞いてみる。
「そう。高価なグラサンつけて、段ボールをしょっていて、まるで…ダメなおっさんみたいなやつ。」
すると、その隣に陣をはってたホームレスBが答えた。
「ああ、あの人か…。その人ならもういないよ。」
「え?就職なされたんですか?」
それは驚きだ。あのマダオがついに就職したのか…。
「いや、だから、もうここにはいねえんだよねーちゃん。」
「はい?」
ホームレスBはため息をついて答えた。
「…つい二日前のことだ。そこの橋にな、サンダルと遺書が置いてあってな…。惜しい人だった、段ボールの神様になれる逸材だったんだが…。」
え…。
「えええええええええええええ!?」
いやいやいや…つっこみどころ満載だけど!なんか言葉にならないから!