第19章 狂ったあとの静寂は
「お前ら……。」
「銀さん!ただいま戻りました!!」
新八が眼鏡をかけなおしている。
「銀ちゃーん!!会いたかったアルううう!!!」
神楽が俺に飛びついてきた。
「ちょ、神楽!ったく、どんだけ寝てんだよ、お前ら。」
「相当長い事、あちらの世界にいやしたから。…ところで旦那。」
沖田君が、真剣な顔をする。
「ああ?どうしたんだよいきなり。」
「…あのあと、どうなったんですかい?」
ああん?!あのあとだぁ?!
「意味わかんねえよ!!主語はどこいった!」
「姉さんが、桂と夜、話したあとでい。」
……ヅラと、夜に?
「だから、それいつの話だよ!」
「戦争が終わる、二日前の話でさあ。」
っ!
戦争が終わる…、二日前…。
「………ああ、あの日のことか。」
「!わかるんですか?!銀さん。」
「あ、ああ、まあ…な。」
「じゃあ教えるアル!!あのあと、みーちゃんはどうなったアルか?!ヅラとか銀ちゃんとか、みんなどうしたアルか?!」
うーん……。
俺はしばらくうつむいて、黙っていた。
教えていいのか悪いのか、わからなくなったからだ。
「お願いしやす、旦那。俺、姉さんのことはもちろん、桂や高杉が今に至るまでの理由を知りたいんでさあ。」
…まあ、そうだよ、な。
「………いいけど…よ。」
「はい。」
「緑には、言わないでくれよな?」
あいつは、多分、知られたくないだろうから。
「もちろんですよ!!」
「みーちゃんには、伝えないアル!!」
新八も神楽も興味津々だ。
「…そうだな……。俺達は…、あのあと…。」
あのあと。