第19章 狂ったあとの静寂は
三日間、俺達は眠り続けていた。
その間、やはり姉さんは一度も目を覚ましていないらしい。
「じゃあ、銀さんはどうしてるんですか?」
新八君の問いに、今度は近藤さんが答えた。
「万事屋なら、ずっと緑殿の病室にいるぞ。泊まり込みで看病しているみたいだが…?」
そう言った瞬間、俺は自然と病室を出て行った。
後ろにはどうやら、二人がついてきているみたいだ。
「おい、総悟?!!」
土方が叫んだ時には、もう俺達はその場にはいなかった。
~銀時SIDE~
あれから、三日経った。
一日に一回、神楽達の様子を見に行ってるはいいが、やはり起きる様子はない。
どんだけ長い夢見てんだよ。
緑は時折、苦しそうな顔をする。
ああ、いっつもこんな顔してたんだな。
元はと言えば、俺があの時、緑に八つ当たりしなきゃよかったんだ。
そしたら、こんなことにはならなかったのかもしれない。
もっと言えば、あの野郎のことも。
あいつは、真選組の調べでは、元鬼兵隊の副総督だったとか。
それを聞いて、少なからず思い出した。確か、そいつは辰馬のダチで、土佐出身だったんじゃないかと。
それで、なんとなく、そいつの弟が戦死したことも思い出した。
その弟は、緑のことが好きだったという。
動機もわかる。気持ちもわかる。
俺が、あの時快援隊狙いだったことに気づいていれば、皆殺しに合わずに済んだかもしれない。
…俺らしくねえな。
過去を今更ねちねち言ったところで、何にも変わんねえのにな、現実は。
遠くで足音が聞こえる。
それがだんだん近づいているようだ。
そして、ここの病室のドアが開いた。
振り向いた先には、息切れをしたガキ三人がいた。