第19章 狂ったあとの静寂は
~沖田SIDE~
今までの様子を、三人で見てきた。
そうか、もしかしたら、旦那達はこれのせいで………。
「……知らなかったアル。」
チャイナがふいに口を開いた。
「え?」
「私、知らなかったアル。みーちゃんが、銀ちゃんが、こんなに苦しい思いをして生きてたなんて、知らなかったアル。」
泣くのを必死に我慢しているのか、俯いて震えている。
「…そうだね、僕達はあの人達のこと、何も知らなかった。」
新八君も、悲しそうにしている。
「でもね、それでも、話がわかるところはあったよ?銀さんや、緑さんがどうしてあんなにも、仲間を護ることを大事にしていたのとか。」
………………確かにそうだ。
現代の姉さんは、俺をかばって大怪我をして、意識不明になっている。
旦那も、姉さんを護るために、俺達とやってきていた。
二人とも、何かを護ろうとしている。
そう、この世界でも。
姉さん、あの顔は作っているでしょい?
俺にはわかるんだ。
姉さんは、心の底からあんなに冷たい顔はできねえ人だ。
だから、だから!!
「……俺は、何があっても信じる。」
二人が、俺の方へ向く。
「たとえ、姉さんが、現代で何も言ってくれなくても、旦那が、話してくれなくても、俺はあの二人を信じる。」
銀色の魂を。
黄緑色の光を。
「………沖田さん。」
すると、頭に衝撃がきた。
「うわお!!」
おかげでずっこけそうになる。
こんのお………。
「何しやがんでい!!!クソチャイナ!!」
「クソはお前アル!!クソサド!!」
何を怒ってやがんでい、こいつ。
「いつ私がみーちゃんと銀ちゃん信じてないって言ったアルか?!私がいっっっっちばんみーちゃんと銀ちゃんのこと信じてるアル!!!」
そう話しているうちに、場面が変わっていった。