• テキストサイズ

美しき銀の刃

第18章 終戦、そして


「こた……ろ……。」

………あれ??

この人、私が散々言っても、部屋から一歩も出ない奴らのうちの一人じゃなかったっけ?!!

「緑…、なぜこんな夜中に外にいるのだ。」
「え?あ、いや、ちょっと……ね。」

さっきの衝動はおさまってはいない。

だが、顔を洗ったことで、幾分か意識が覚醒してきた。

「そうか……。」
「………そういう小太郎は?珍しいじゃない、外に出てくるなんて。」
「俺は常にアウトドア派だ。」
「誰もインドア派なんて言ってないけど。」

てか、しばらくインドアしてた人がよく言うわ。

「で?なんでこんな時間に??」
「俺はいや、別に……。」

そういいながら、後ろに何かを隠した。

「んー?なにそれー?」

そういいながらサッと後ろをのぞく。

「あ、おい!!」

そこにあったのは、空っぽになったお皿達。

つい、ポケーとしてしまう。

「……………お皿?」

え、なんでこんなもの隠す必要が??

「…………。」
「もしかして……なんか照れてます?」
「照れてなどいない!!ただ、ちょっと……。」
「食べないみたいな感じなのに、ちゃっかり食べてるってバレるのが嫌だったみたいな??」

これ以上は本当に何も言わなくなってしまった。

ま、そりゃ、そうなんだろうけどさ。

「もー、小太郎は素直じゃないわねー!」

そういいながら、皿の半分を持ってやる。

「仕方ないから手伝ってあ・げ・る・!」

と、いうわけで、小太郎と台所まで行った。

着くとさっそく皿を片付け始める。

「ここ、以前はこんなに汚かったか……?」

辺りを見回す小太郎。

「仕方ないじゃない、そんなところまで手が回らなかったんだから。どっかの誰かさん達が手伝ってくれなくなったおかげでね。」
「そうか……。すまない……。」
「いいってことよ。」

私がそう答えると、小太郎は俯いた。
/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp