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美しき銀の刃

第18章 終戦、そして


「いや……、なんか変だろ?俺。」

変?

「ど、どのへんが……。」
「…たとえば、普通に飯が食えるところとか。」

そういうと銀時は真顔になった。

そして続ける。

「たとえば、あのことがあったあとで普通に笑えるところとか。」
「銀時。」
「たとえば、部屋が全く荒れてないところとか。」
「銀時…。」
「たとえば。」

そう言いかけると、ゆっくり私の方を見る。

「たとえば、そんなわけないのに、俺に対しての殺気に反応して殺気返しをしてるところとか。」

そう言った目に、私は少しゾッとしてしまった。

何も映していないような目。

でも、悲しみにあふれていた。

私は震えている手を銀時の顔へ持っていく。

銀時は何も動かなかった。

銀時の顔を手で包み込む。

そして、銀時のおでこと私のおでこをくっつけた。

少し熱が伝わる。

「……大丈夫。」

私はポツリといった。

「銀時は。人間。」

少し私は微笑む。

「だって、私を、人間に、してくれた。」

そう言って、銀時から手を離す。

しかし、その手をそのまま銀時に掴まれて、引かれた。

「っ!」

そのまま銀時にポスッと包み込まれる。

ちょ、ちょ、ちょー!!!!

銀時は何も言わずに頭をポンポンとした。

「………銀時。」
「…………いいよ。」

え?

私は銀時の顔を見る。

いつの間にか、背を越されていた。

昔は私の方が少し大きかったのに。

いちいち上を見上げなければいけなくなった。

とっても強くて、たくましい体。

なのになのに。

「俺を殺したって、別にいいよ。」

頭が真っ白になっているのに。

私の口は勝手に動く。

表情は、勝手に変わる。

私はニヤリと笑った。

私じゃないのに。

「……つまんないよ、そんなの。」

銀時は少し驚いた顔をした。

「おいしい餌は、あとに取っておくのが我の主義さ。」

何を話してるの?

ねえ誰?

あなたは誰?

あなたは…………



私?
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