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美しき銀の刃

第18章 終戦、そして


次は銀時だった。

まあ、正直、会いづらい。

………お互い、会わないほうがいいかもしれない。

いやいや、小太郎達にも会ったんだし、渡しに行かないなんてさすがにひどいでしょ!

とか、いろいろと思いながら、銀時の部屋の前に行った。

生唾をゴクッと飲み込む。

(ええい!ここまできたんだから、怖気付かずに行くんだ、私!!)

私は静かに声を出した。

「銀時、ご飯を持ってきたんだけど…。」
「んー?ああ、入れよ。」

案外普通だったことに少しビックリしたが、ふすまを開けた。

部屋もなんにも変わらなかった。

ただ、やっぱり空気はかなり重かった。

銀時は、布団にくるまって、くるくるの銀髪がぴょこっと見えていた。

「はい、食べて。」

私はちゃぶ台にご飯を置く。

それを待っていたのか、銀時はもぞもぞと布団から出てくると、もそもそとご飯を食べ出した。

あ、普通に食べるんだ。

………しばらく沈黙が続いた。

このままこの部屋にいても意味がないだろうと思い、私が部屋をでていこうと立ち上がりかけたときだった。

「なあ、緑。」

ふいに銀時が話しかけてきた。

「ん?なあに?」

そう聞くと、銀時はすっと顔を上げて、私と目を合わせた。

そして、口を開く。



「………………俺って、人間だと思うか?」




そんな質問に「へ?」と変な声を出してしまった。

な、なにを聞いて……。

「…………は、はは!いや、まあ、なんとなく聞いただけだっつーの!気にすんな!!」

乾いた笑いを見せる銀時。

……私の手が、震えだした。

それを抑えながらこたえる。

「…人間よ。銀時は、れっきとした、1人の人間。」

銀時は、少しはっとした顔をすると、照れ笑いをしてきた。

「………んー、だよなあ。俺、人間だよなあ。」
「どうしていきなりそんなこと……。」

そう言うと、銀時が、少し困った顔をした。

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