• テキストサイズ

美しき銀の刃

第18章 終戦、そして




フラッシュした。

辺りが一気に真っ白になったと思ったら、今度は元の寺へと戻っていた。

俺たちは少し寺をまわってみるが、すれ違うやつらには気付かれもしない。

「もう……僕達はそろそろ元の世界に戻るんですね……。」
「長かったアル……。……みーちゃん、毎日こんな夢見てるアルな……。」

まあ、こんな長え夢じゃなくてもうちょっとコンパクトにまとめられてるだろうがな。

俺は何も言わずに進んだ。

今は一体何日くらいなのだろう。

そうこう考えているうちに、台所にきたようだ。

野菜を切る音や、煮ている音がよく聞こえる。

「……あれは……。」

人影が見えたので、目を凝らして見てみた。

姉さんがいた。

姉さんは普通に調理をしている。

「………なんで、みーちゃん…。」

チャイナがボソッと言う。

「そりゃ、腹が減ってる隊士達がいるんだろい。大体、料理は当番制らしいじゃねえか。」
「でも今日は高杉さんだったみたいですよ?」

新八君が当番表が書いてあるものを指差した。

札には「今日の当番、鬼兵隊隊長」と書かれている。

「………怪我でもしてんじゃねーの?」
「サド、お前、みーちゃんの顔、よく見るアル。」

チャイナが泣きそうな顔をするので、俺はチラッと姉さんの顔を見てみた。

姉さんは、笑顔だった。

また、狂ってるのかと思うくらいの顔だった。

しかし、普通に料理をしている以上、そんなことはないはずだ。

「緑さん………。」

新八君も心配している。

しばらくすると料理ができたようで、姉さんは「よしっ!」と言った。

そして、その声で気付いたのか、隊士のうちの一人が姉さんに話しかけた。

「あ、緑さん、持っていきましょうか?」
「ああ、おねがい!私は………隊長達に届けに行くからさ。」
「………わかりました。」

そう言って料理を運び出す。

俺達は姉さんの跡を追うことにした。

/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp