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美しき銀の刃

第17章 終わりの合図


「くそ……!!」

姉さんはどうやら今、理性がないらしい。

なんでもかんでも斬っている。

だがもうすでに5名ほど死者がでた。

俺もガキどもも姉さんを必死に抑えようとしているが、速いうえに力が強いので、俺たちは弾き飛ばされる。

「まさか、神楽ちゃんまで弾き飛ばすなんて……。」
「…………。」

チャイナは黙ったままだ。

「お前ら、今日は逃げないんだな。」
「この前も別に逃げてたわけじゃありませんよ?……まあ、怖かったけど。」
「で?なんで今はここに?」
「緑さんを、少しでも知りたいからです。」

………なるほどな。

まあ、この前よりは頼もしくなったな。

問題は、チャイナだ。

「おいてめえ、さっきから何黙ってやがんでい。」
「…………知ってるアル。」
「あ?」



「私は、あの目を、あの顔を知ってるアル。」



一瞬動きが止まった。

だがそれも、姉さんが突っ込んできたことにより回避される。

「ちっ!」

俺とそばにいた新八君は避ける。

チャイナも三歩くらい後ろに引き下がる。

それもつかの間、姉さんはすぐさまに俺を攻撃してきた。

ギリギリ抑える。

「くっ………!」
「沖田さん!!!」

新八君も加勢しようとするが、姉さんがいとも簡単に新八君を攻撃する。

「うわっと!」

こちらもギリギリかわした。

「ほわちゃアアァァァ!!」

今度はチャイナが上から攻撃する。

姉さんはニヤッとすると刀を左に構えなおし、右の拳をチャイナの左拳にぶつけた。

拳とコブシがぶつかりあう。

姉さんもチャイナも、後ろにさがった。

姉さんは余裕そうにニコニコしているが、チャイナのほうは左手が使い物にならなくなったらしい。

そして、姉さんはすばやく体制を身構えると俺に向かって突進してくる。

避けようと左のほうへ動こうとした。

すると、目の前に姉さんが見えた。

後ろにさがったとしても、きっと間に合わない。

(まさか、これをよんだのか………?!)

戦いの本能だけは正常に動いていたようだ。

俺は静かに目を閉じた。
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