第17章 終わりの合図
旦那は刀を奈落集団に渡されていた。
そしてそのまま、松陽と呼ばれる男の前へ。
「教育者たるお前にふさわしい処刑方法だろう。師か、仲間か。どちらでも好きな方を選べ。」
旦那は何も言わなかった。
松陽と呼ばれる男も何も言わずに前を見ていた。
「銀時イイイイイイイ!!!!」
高杉が叫びだした。
「銀時!やめろ!頼む!やめてくれえええええ!!!!」
必死な叫び声に旦那はびくりともしなかった。
「銀時!!!お願い!!やめて!!私達が死のうがいいじゃない!今までなんのために私達は!!!」
姉さんまでもがもがきながら必死になっている。
松陽と呼ばれた男は、少し振り向き、にこやかな顔でこう言った。
「ありがとう。」
次の瞬間だった。
誰もかれもが息をしていなかった。
一瞬だったが、それは鮮明に、かつ繊細に脳裏に叩きこまれた。
松陽とよばれたその人は、散った。
何も、言えなかった。