第2章 時経てど
~緑SIDE~
私は公園にいた。
『万事屋銀ちゃん』の少し遠いところにある公園だ。
ほぼ誰も遊びにこないようなところで、私はブランコにのっかった。
「…いっつ…。」
先ほどの頭痛は少しやわらいだみたいだが、やはりまだ痛い。
「…いつからこんな持病持ってたっけ…。」
昔はこんな持病こそあまりなかった。
だから、きっと攘夷戦争が終わったころにでもなったのだろう。
(天人のせい…?それとも…私が人と接するようになったから…?)
理由はあまりわからなかったが、やはり頭痛の持病とはきついものである。
そう考えていると、誰かの声が聞こえてきた。
「邪魔するなヨ!」
「ここらじゃ見かけない顔だな~?雨も降ってないのに傘なんかさしやがって。」
「ふざけんじゃネーゾ。お前ら銀ちゃんにボコボコにされてもしらないアル。」
「あんだとお!?このアマ、なめてんじゃね~ぞ!!」
ああ、この声は…。
けが人がでないうちに私は声がするほうへ行く。
すると案の定、神楽とどこぞのチンピラがにらみ合っている。
男のほうが神楽を殴ろうとした瞬間、私はその男の手を取る。
「やめないよ、小さい子供に大人が手を出すなんて、みっともないわよ。」
神楽はキラキラした目で私を見つめている。
「ああん?!ふざけんじゃねーぞ!このクソ女!」
私は手の力をかなり強くする。少し『ボキッ』という音がした。
「クソ女じゃないでしょ?怒られたときは素直になんていうのかな?」
「ご…ごめんなさい…。」
私は男の手を放す。男は駆け足で逃げて行った。