第17章 終わりの合図
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何時間経ったのだろうか。
俺逹は、城の近くにいた謎の列を追っていた。
もしかしたら、捕まったのかもしれない。
ただ、遠くてあまり見えないが、どうやら誰かを乗せている荷車をひいている集団っぽいのだ。
「あれ、絶対みーちゃん逹いるアル。なんか、そんな気がするネ。」
「ガキが変な推測たててんじゃねーよ。」
「でも、可能性はなきにしもあらずですよ。」
とかいいつつ移動していく。
すると、広い丘のようなところにでた。
一体これから何が起こるかも全くしらなかった俺逹。
そして、残酷な結末になることも、予想だにしていなかったのだ。
俺逹は、近くで様子を見ることにした。
「おい、連れてきてここに座らせろ。」
天人が手下に指図し、誰かをでてこさせようとした。
すると、荷車の一番先頭の扉らしきものが開き、中から人がでてきた。
長髪の、栗色よりも薄い感じの色をした、ひ弱そうな男の人だった。
手を後ろで拘束されている。
「あ、ここなんですか。いいところですね!海が見えますし!」
少しはしゃいでニッコリ笑ったその男性は、少し寂しそうな気もした。
「……つくづく貴様の考えていることはよくわからん。」
「そうですね、私にもわかりません。」
そういいながら、綺麗に正座をした。
「ありがとうございます、こんなところを選んでくださって。どうせ死ぬのなら、海を眺めて死にたかったんですよ。」
この人は一体誰なのだろう。名前さえでてきたら………。
「別に貴様の願いを叶えた訳ではない。ここのほうが我らにとって都合のよかっただけのこと。」
「ああ、ここは人影が少ないですもんね。そりゃあ、都合がありますよね。」
この人は今から死ぬのか?
ならどうして。
その答えは、すぐにでてきた。