第16章 目覚め
~沖田SIDE~
旦那に「外で待っとけ」と言われてからだいぶ経つが、何の変化も起きない。
さすがにここにずっといてはなんだろうと、少しだけ移動して、門の様子を眺めていたが、やはり変化がない。
もう、とっくに日は落ち、空には月が浮かんでいた。
「どうしましょう沖田さん、このままだと僕達、何もわからずにここから消えちゃいますよ?」
「わかってんだよんなこたあ。だから今頭ひねらせてんだろい。」
ったく、これだからガキは…。
「頭ひねらせてどうにかなるアルか。もう我慢できないネ!」
そういうと、チャイナは飛び出していこうとする。それを俺はとらえる。
「おい待てチャイナ!」
「離すネ意気地なし!!このままだとみんな危ないアル!何もしらずに戦っている奴らはどうなるアルか?!大将がみんないないのに、あいつらはなんのために戦ってるアルか!!」
……それもわかってる。だが…。
「沖田さん、あんた変ですよ。いつも大人の言うことなんか全然聞かないのに、こんなときだけ従順になってどうするんですか。」
……あー、こいつらに説教喰らわされるたあ、俺も落ちたな~…。
「ちっ、仕方ねえ。じゃ、乗り込むかい。」
俺達は、壊れた門を素早くくぐった。
~???SIDE~
さあ、選べ。
お前はどっちを選ぶ。
死か?生か?我は両方をつかさどることができるぞ?
…何?どちらでもいい?はあ、なんてつまらない人間なんだお前は。
今まで憑いた中で最悪につまらないな。
ではこうしようじゃないか。
あの者らを助ける。だが、お前が本当に助けたい者は助けれない。
もしくは、その反対だ…。
さあ、笛を吹け、主。
お前が吹く笛の回数でその答えは決まるのだ。
私が自由になるか、はたまたお前が自由になるか…。
聞こえた音は、何度だったかな?