第16章 目覚め
「ところで、緑さん方は…。」
総一郎君が聞いてきたので、俺がこたえようとしたら
「ああ、晋助と緑は先に城に行っている。」
と、かぶせてきやがった。うざ。
「ええ?!!もう城に着いちゃってるんですか?!」
「さっき爆発音が聞こえてな。多分、城の門をこじあけでもしたんだろう。」
もう俺なんにも話さなくていいや……。
「銀ちゃん達は大丈夫だったアルか??血まみれネ!」
「ははは。俺達がケガするはずなかろう!ただの返り血だ。」
いや、それはそれで恐ろしい気もするけどな。
「とりあえず、早く城に行ったほうがいいんじゃないですかい?緑さん達しか、城に到着してないんでしょい。」
「む。それもそうだな。急がねば。…銀時、さっきから黙ってどうしたのだ?人見知りか?」
「ちげーよ!言おうとしてたこと全部てめえにとられたんだよ!!!死ね!ハゲになって死ね!」
ヅラがまたくどくど説教みたいなことをしてきたので、俺は無視して先に進んだ。
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城の前に着く。
門はすでに一刀両断的な状態になっていた。
「うわ…。」
「なんか……さすがというか…。」
「やべーアル。」
三人は感嘆に近い声をあげている。
あいつら…、はりきりすぎだろ。
「……にしては静かだな。もう倒してしまったのか?」
「いや、それはねえだろ。終わったら笛が鳴るはずじゃねーか。」
それもそうかとヅラは入ろうとする。俺はあわてて止める。
「ちょ、待て!」
「なんだ。早くいかねば先生が。」
松陽のことじゃなくてよ…。
「な、お前ら。」
「なんですかい。」
なんか嫌な予感がするな…。
「わりいが、お前らちょっとここで待機しててくれ。俺達が中に入って様子を見てくるからよ。」
「いやアル!!一緒に行くネ!!」
神楽が駄々をこねる。
「な?頼むよ。少し見てくるだけだ。」
そう言って神楽をなだめ、ヅラと俺は中に入った。