第16章 目覚め
~銀時SIDE~
「銀時、そろそろ城に着くぞ。」
いちいち言わなくてもわかってるよ。
「うるせーよ。んなの見ればわかるだろうが、この電波。」
「電波じゃない、桂だ。」
はーあ…。いいなあ、晋助はこんなやつと組まずに、賢い賢い緑ちゃんと組めて~…。
「何か今けなされたような気がしたのだが。」
「俺の心にまで入ってくるのほんとやめてくんない?もうヅラじゃなくて、エスパーかデンパ―って呼ぶよ?」
「なんだデンパーというのは。そして俺はヅラじゃないと言ってるだろう。」
まあ、この電波はほっといてだ。
…なかなか天人がいねーじゃねーの。
確かに死体も多いがな。これだけしかいねえとは思えねえ…。
あいつら何かあったな。
「おい、ヅラ。」
「ヅラじゃない、桂だ。なんだ?」
俺は感じた違和感をヅラに話す。
「それはまあ俺も思っていたが……。」
案の定か。まあ、電波だが、頭の切れは鋭い。
観察力が備わってるおかげだろうが。
「とりあえず、急ごうではないか。」
それもそうだと、歩くスピードを速める。
…何か後ろで聞こえねえか。
なんか眼鏡が「銀さん」と叫んでいる気がする…。
幻聴か?
「幻聴じゃねえよォォォォォォ!!!ちょ、待って!!待ってください二人とも!!!!」
「だからなんでてめーら揃いも揃って俺の脳内解析してるんだよ!!!」
ヅラもやっと気づいて、後ろを振り返る。
すると、ガキ三人組が走ってこっちに来ている。
「お?よくここまでたどり着けたな!すごいぞ!」
なんてヅラは喜んでいるが。
「や、やっと追いついたアル……。」
「もう、速いんですよ、二人とも…。」
「さすがに、追いつくとは思ってませんでしたがねえ…。」
…もう体力消費しちゃってるじゃんんんん!!!!
もっと騒がしくなりそうだな…。