第16章 目覚め
~緑SIDE~
とりあえず、中に入った。
いや、なんかすぐに気づかれちゃったけど…。
まあ、あんなうるさい音だしたら、すぐにばれるにきまってるんだけどね。
もうすでに天人に囲まれてる私と晋助。
…予想外の出来事だ。
「おいおい緑、一階は警備少ねえはずだっただろ?」
「ははは…。事前に調べておいたんだけどね…。敵さん、なんか勘付いてたみたい…。」
さて……。ここをきりぬけないと、ヤバいね。
どうしようか。
「ねえねえ、銀時達は?」
「はるか先の後ろだ。」
「チェッ」
銀時と小太郎がそろえば、万事解決だったんだけどな~…。
すると、天人の群集からかき分けるようにして誰かが出てきた。
私達は警戒態勢に入る。
「貴様らがあの五神の中のやつらだな。」
「あれれ~?私はあなたのことなんて一つもしらないんだけどな~。」
晋助は若干怪訝な顔をしたが、すぐに構えた。
「おとなしく武器を捨てよ。どのみち貴様らは終わりなのだ。」
「戦わなきゃわからねえだろ。」
うわ~、晋助ものすごく機嫌悪い…。
すると、でてきた天人は、ため息をつき、呆れた顔をした。
「これは貴様らのために言っていることなのだがな…。やはり聞かぬか。」
「さっきから何を言ってるわけ?もう斬り合い始めちゃっていい??」
まあ、別に斬りたいわけじゃないけど。
「…仕方ない。やはり実力行使か…。では、あとは頼んだよ。」
天人はそういうと、また天人の群集をかき分けて消えた。
「あ!おいこらちょっとま…」
と言おうとした時だった。
一瞬で息ができなくなり、時間が止まった感覚に襲われた。
視界も真っ暗になる。
最後に聞こえたのは、晋助の叫び声だった。
その叫び声も、一瞬で消えたが。