第16章 目覚め
~緑SIDE~
「ついに…きちゃったわね。」
「ああ、そうだな。」
「どうやって入る?門を突破する?たったの二人で?」
「…それしか方法がねえだろ。」
普通の城にしては意外とこじんまりしていた。
少し嫌な予感もする。
「なんだ?今更になっておじけづいたのか?」
「んなわけないでしょうが!!」
少しニヤッと笑って見せるのがまた晋助らしい。
「…やっと会えるから少し緊張してるだけ。」
「ああ…そうか…。」
「俺もだ。」
そういうと、私は刀を構え、一瞬にして門を一刀両断する。
私は縦に、晋助は横に。
十字架に裂けた門は、痛々しい音をたて、崩れた。
私達は先に進んだ。
~銀時SIDE~
さっき大きな音がしたけど、まさか緑、一人で突入してるんじゃねえよなあ…。
と、そんなことを考えてたのを見透かしたのか、ヅラが
「どうやら晋助は緑と一緒に行動しているらしい。」
と言った。
「…お前はエスパーか。」
「エスパーじゃない、桂だ。」
ま、そんなことはどうでもいいんだ。
問題はこの天人の少なさ。
「なんでこんなに天人がすくねえんだよ。いくら先に緑と晋助がいるからって、こんなに減るこたぁねえだろ。」
「…ああ、それは俺も変に思っていたところだ。」
変に…ね。
「何かありそうな気がするんだが。」
「まさか。この作戦は絶対に天人側にばれていないはずだろう。」
「そうだな。」と言って、戦闘に集中した。
深読みはいけねえ。緑を信用しねえとな。
あいつは絶対に作戦を漏らすことはしねえはずだ。
それに、あの陣地には俺が最大限で神経をとがらせ、侵入者がいないか気を配っていた。
絶対にないはずだ。
…そういや、今回の作戦の資金、どっからきてたんだっけか…。
確か…。
「天道衆」だったよな。