第14章 出陣
~緑SIDE~
最初に突入した特攻隊はすぐさま敵を斬りつけていった。
私はもう快援隊がないので、特攻隊に付属している。
天人達はかなり驚いていたが、相変わらずの強さだ。
「ていやっ!!」
私は目の前にいた天人を軽く斬る。
笑いがこみあげそうになるくらいの天人の数。
どうしてこんなに多いのか?あの人がいるからか?
その理由はわからなかったが、私は斬りつけていった。
目の前の敵に夢中で、後ろを気にしていなかった私は、ふいにした後ろからのヒュンっという音に気付かなかった。
しまったと思った時には、刃はすぐ目の前まできていた。
「なに油断してんだよ。」
そういう声と同時にその天人が崩れた。
「油断してると殺されるぞ。」
「銀時!」
銀時は早業ですぐに近くの天人を斬りつける。
「ったく、ここらへんはかなり多いんだから、無茶は禁物だぜ?じゃ、本丸で会おうや。」
そういうと、天人を斬り裂きながら先へ進んでいった。
「…無茶はお互い様でしょうに。」
私は少し二ヤっと笑うと、すぐに次の敵を斬り裂いた。
ネエ、ツヨクナリタイデショ?
そんな声がいきなり耳に聞こえた。
「…へ?」
少しめまいがしてくる。なに、これ。
ツヨクナリタイヨネ?
「強くなんて…!仲間を護れたら充分だわ!!」
ウフフ、ソンナチカラジャマッタクタリナイハズ
ネエ、ワレガツヨクシテアゲヨウカ?
「結構よ。あいにく、強くなりたいなんて、思ったことないから。」
ウソツキ
ウソツキハキライダ
ジャア、キサマノタメジャナクテワレノタメニツヨクサセテヤル
その声で私の意識は途絶えた。
誰だかわからない声に驚きながら、堕ちていく世界に手を伸ばす。
待って、待って。
今は駄目なの。
ダイジョウブダヨ
最後にそんな声が聞こえた気がした。