• テキストサイズ

美しき銀の刃

第14章 出陣


――――――――――――――――
―――――――

三日目。

今日はもうすでに移動した廃墟に、隊士達全員をいれた。

「みんな、今日のすることをよく聞いて。」

隊士達は生唾を飲みこんだ。

「今日はついに…本格的な天人との対戦をするつもりよ。」

私の言葉で、周りが一気にざわつく。

「静かにせい!!」

小太郎がどなる。

「……いいかしら。まず…特攻隊が真正面から城に激突する。そして、特攻隊が天人を食い止めている隙に、一番隊と鬼兵隊は城内に侵入する。特攻隊も、大体を食い止めれたら、城内にきてちょうだい。」

隊士達はまた静かになった。

「もしかしたらこの行動だけで一日使うかもしれないから…。そのあとの作戦と、終わったあとのことも全て話すわ。」

張りつめた空気の中、私の声だけが部屋に響いた。

「私と小太郎と銀時と晋助は、城内に侵入した後、最上階を目指して一気に上がるわ。それについてこられたらいいけれど、ついてこなくても別に問題はないから安心して。全てが終わったら、最上階から笛を三回吹くわ。そしたら勝ったという証拠。逆に、一回吹いたら逃げる。二回吹いたら…、負け…よ。」

銀時達も隊士達も、みんなみんな真剣なまなざしになる。

今回の目的は隊士達に話すつもりはない。

全てが終わった?そう、先生が戻ってこれたらすべてが終わったことになる。

もし、戻らなかったら?

…いいえ、戻ってくるわ。

大丈夫。戻ってくる。

それを信じるから、こんな無謀なことをするのよ。

もし負けてしまったら?

それはそれで構わないのかもしれない。私はそれで死ねるのだから、悔いはない。

説明が終わると、隊士達はそれぞれ武器や防具を準備しに行った。

きっと、遺書でも家族に書くのだろう。

それだけ今回の戦が重要なことは、雰囲気で読みとれたはずだ。

…………………ゴメンネ…。

ゴメンネ、ゴメンネ、ゴメンネ………。

私は心の中で、なぜか何度も謝っていた。
/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp