第14章 出陣
まずは、近辺にいる天人を片っ端から斬っていかないといけない。
それには、天人にばれないように隠密にするのが一番だと思った私は、隠密作戦ができそうな隊士達を募り、天人の本部へ向かった。
「…いい?あくまでも今回は天人の数を減らすだけであって、別に全滅させることはしないわ。大事にならないうちにとっとときりあげるのよ。」
私がだした指示に、静かにうなずく隊士達。
そして隊士達は行ってしまった。おそらく明日には帰ってくるだろう。
「今日はもう動けないとおもうわ。みんな、稽古でもしていましょう。」
まずは一日目。そう、この戦は何日もかかって終結するはずだ。きっと。
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二日目。
昨日隠密活動にでかけていた隊士達が、全員無傷で生還してこられた。
今、天人側はパ二くっているに違いない。
「みんな、お疲れ様。あとは私達に任せて。」
私達は帰ってきた隊士達を送ると、早速作戦会議に移った。
「…して、緑。次はどうするのだ?」
まず、小太郎が聞いてくる。
「…そうね。今の天人の状態のうちに、ここを脱出して新しいところに移動したいわ。あの城に近いところで、なおかつ、ばれにくいところ。」
「それなら、この先には松林があるぜ。」
「松林の中に、捨てられた家もな。」
どうやら今日することは決まったようだ。
「…せっかくだから、その後の動きの確認もしておこうじゃないか。こうやって集まれるのも、もしかしたら最後になるやもしれぬ。」
…最後……か…。
「何不吉なこと言ってんですか?ヅラのくせして。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
「そうだぜ。俺達が最後なわけあるめえ。」
銀時と晋助は、小太郎が言ったことを完全否定した。
私もその言葉で、なんとなく救われた。