第14章 出陣
私は今まで、誰かに頼ることなく生きてきた。
…いや、頼ることを知らないまま生きてきた。
「頼る」というのは、どういうことなのだろう。
だって、「頼る」ことは人に迷惑をかけることなのだ。
それなのにこの幼い三人は、私に遠まわしに「頼れ」と言ってきたのだ。
……本当にびっくりしたが、本当にうれしかった。
「…でも、三人だけなんて、そっちのほうが心配だわ。」
「俺達もいるぜ。」
いきなり外から声がかかったので、びっくりしてふすまのほうを見ると、外から馬鹿三人が入ってきた。
「…あんた達……。」
「その…なんだ。さっき簡単に短く話し合ってみたのだが…。」
「やっぱり、緑一人にしちゃあまずいなって思ってよ。」
「……仕方ねえからな。」
と、口々に言った。
そして三人は障子を開けた。
すると、外の庭には隊士達が全員いたのだ。
「よしお前ら!!そうとなったらまずは緑の指示を聞け!!!今回の作戦の指揮官は、我らが女神、『吉田緑』が務める!!いいな!!」
小太郎が声を張り上げて全員に伝える。
その言葉に「うおおおおおおお!!!!」と叫ぶ隊士達。
「……緑、指示を。」
晋助が隣でニヤリと笑った。
私もニヤリと笑って、全てを見つめる。
「……みんなよく聞きなさい!!!これから指示するところ以外には絶対に行ってはいけないわ!!!それから逃げないこと!!これが鉄則よ!!いいわね!!!」
また隊士達の叫び声が聞こえた。
私はそれぞれに指示をだすと、いよいよ出陣。
幼い三人は、隊長達の隣で静かに立っている。
「よーし。いいかてめーら。」
銀時のお得意、気の緩んだ声。
「全員、出陣だあああああああああああ!!!!!」
「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
いよいよ、最後の大戦が始まる…。