第14章 出陣
~緑SIDE~
何よ何よほんとに最低!!
なんでわかってくれないの。明日がチャンスだったのに。
天人も間が悪すぎる!!
私は急いで小刀と、刀、それから動きやすい服を探した。
「ん~っと…。確かこの辺に…、あった!!」
押し入れの中から出したのは、少し古くなっている黒い着物。
だいぶ前にした隠密作戦で使ったものだ。これさえあれば…。
「あとは…。小刀だけじゃなんかね~…。髪飾りになんかしこもうかな~。」
って言っても何をしこもう。
すると、外から「緑さん」という声が聞こえた。
「へ??あ、は、はい!!」
私はこれまでに出していたものをすべてまとめて、隅っこに追いやった。
「失礼しやす。」
そう言って入ってきたのは、総悟達だった。
「あれ?どうしたの、三人とも。もうすぐ出陣命令出るから、急いで部屋に戻りなさいよ。」
そういうと、三人は顔を合わせる。
そして新八から口を開いた。
「あの~、銀さん達と何かもめたんですか?」
「へ?」
ああ、さっきの見てたのね。
「ああ…。まあ、ね。」
「みーちゃん何しようとしてるアルか?あんなところに武器置くなんて、ただごとじゃないヨ。」
あれ??布にかぶせたのに、なんでばれたんだろう。
「教えて下せえ。俺達、緑さんに協力したいんでい。」
私は仕方なく、さっき起こったことを話した。
「……と、いうわけで、私はこれから一人で行こうかなって。」
「一人なんて危険アルヨ!!」
「だけど、行かないって言われたから仕方ないじゃない。」
すると、顔色一つ変えなかった総悟が、口を開いた。
「じゃあ俺達、姉さんについていきやす。」
「…え?!!」
「それいい考えですね!!僕達も一緒に行きますよ!」
「おうヨ!みーちゃんのためなら、胃の中水の中アル!」
「それを言うなら、「火の中水の中」でしょ?」
…正直驚いてしまった。