第14章 出陣
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「みーちゃあん。もう寝るヨロシ~。」
「あー、うん。」
今日は戦はなく、平凡な感じだった。
神楽は稽古で疲れているのか、少し布団にはいるとすぐに寝てしまった。
…可愛い。
こんな幼い子には戦争の怖さなんて知ってほしくなかったんだけどな…。
作戦はばっちり整った。
結局天道衆とやらには攻め入る日だけ教えて、手は貸してもらわないことにした。
なんか、いろいろあやしいし、砂糖菓子とかないしね。
とりあえず明日、三人にこれを話すつもりだ。
「…私も、もう寝ようかな。」
布団に手が伸びたそのときだった。
急に手が固まった。
体が少し痙攣している。
「…な、なに…?」
手が勝手に動く。
手が動いた先には小さな小刀があった。護身用に晋助が置いて行ってくれたものだ。
それを手に持つ。
「…や、な、なに…。」
手は少しずつ神楽の方向へ行く。
刃のほうを下にした状態。神楽をいつでも刺せる状態になった。
「ちょ、な、なに!や、やめて!」
私は必死に動きをとめようとするが、手は止まらない。
「いや、いやあ!!」
神楽を殺したくなんか…!!
手が振り上げる。
「…こんのおお…。」
私は体のすべての力を使った。
すると手の力は抜け、小刀は床におちた。
「はあ…はあ…はあ…。何…今の……。」
わからない。確かに今私は…。
神楽を殺そうとしていた。
「どうして…?」
殺気もりもりだった。
もうすぐ殺気に気が付いた誰かがこの部屋にくるのだろう。
そのとき、私はどう説明したらいい。
「…なん…で……。」
時はもうすぐやってくる…。