第13章 時はやってくる
~緑SIDE~
部屋に戻ると、早速机に向かった。
作戦を書いた紙と筆。しかしこれは誰にもしられてはならないもの。
「…さて。どう攻め込めばいいのやら。」
幕府相手に大ゲンカをするということは、きっと天人を斬るよりもつらくて苦しいだろう。
できるだけ正面衝突は避けたい。だけど…。
「ここの城…。珍しく入口が正面にしかないわね…。」
こんなつくりの城、誰が一体どうやって思いついた。
普通なら抜け道などもあるのだ。
「内側から開けるか…。あるいはもう私達だけで行くか…。」
そう言いかけてはっとした。
そうだ、今小太郎と晋助はケガをしているんだった。
少しずつ回復してきているものの、彼らにそんな危険な目は合わせたくない。
「……そういえば、天道衆っていうやつら、確か幕府と少しつながりがあったんだっけ。」
この間の手紙にはこう書いてあった。
『もし我々の助けが必要ならば砂糖菓子と一緒に手紙を添えて言いつけろ。城門を開けることなどたやすいからな。』
…まるで私達が絶対助けを求めるような言い方だったけれど、どうやら助けを求めるしかない気がする。
「…うーん…。……ていうかどうして砂糖菓子が必要なのよ。わけわかんない。銀時じゃあるまいし。」
砂糖は高級品だ。
幕府くらいしか砂糖菓子に手をつけることができない。
…そうか、つまりお金で動くということか…。
「資金の援助をしてくれているのはありがたいけど、その援助者がお金を要求するなんて…。砂糖から作って送り付ければいいのよ。」
この近くにサトウダイコンはあるかしら…。
サトウキビは南の暖かいところしかないしねえ…。
いろいろと思いながら、少しずつ作戦はできていった。
終戦まであと二週間。