第13章 時はやってくる
新八君は必死に止めている。
「私がいつお前のエネルギーを奪ったアルか!!お前のエネルギーなんて米粒サイズネ!!あったってなんの意味もないアル。」
「ああ?誰がいつお前のがって言ったよ。誰も言ってねえだろーが。自意識過剰も甚だしいぜ。あ、元から頭が空だから仕方ねえか。」
今度は蹴りも届いた。
それもかわす。
「むっきいいいいい!!新八!!離すアル!あいつの息の根止めないと気がすまないネ!!」
「ちょ!待って神楽ちゃん落ち着いて!!それは現代でしてよ!今沖田さんが死んじゃったら、僕達いろいろ危ないよ!!」
その言葉でしぶしぶ攻撃をやめた。
俺はそれを見計らって、気になったことをつぶやいた。
「…なんか姉さん、最近飯なんて食ってる気がしねえけどな…。」
二人共もうなずく。
「そうですよね。最初の拠点のときもまともに朝食べてませんでしたし、ここ最近は三食全部抜いてる気がします。」
「抜いてはないアル。おにぎり一個だけネ。でも、それでも足りないネ…。」
チャイナはさっきの態度とは打って変わってうつむいた。
俺も下唇をかむ。
姉さんを少しでも助けれたらいいのに。
もうすぐこのトリップも終わるだろう。
……結局、姉さんのことがわからずに消えるのは嫌だ。
「姉さんを監視するってのはどうでい?」
二人がぎょっとする。
「待つアルサド!!絶対監視なんてできないアル!気づかれるヨ!」
「そうですよ!緑さん、少しでも気配があれば容赦ないですよ!変な気配だせば終わりです!」
はあ…。説明がいるな…。
「姉さんは今、第六感は衰えてると俺は思うねい。」
驚いた顔から怪訝な顔に変わった。
「どういうことですか?」
「姉さんは最近戦にでてねえ。しかも、飯もまともに食ってないうえ、作戦立てに必死でい。集中力が六感にない今、監視をするのはたやすいと思うぜい。」
怪訝な顔からひらめいた顔に変わる。
まったく、忙しいやつらだ。