第13章 時はやってくる
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「…………と、いうわけだから。」
「………と、じゃねーだろ。」
現在負傷中の二人に話すと、さっそく濁った顔をされた。
「お前………やっと部屋から出てきたと思ったら、それをずっとしてたのか?」
晋助が顔をこちらに向ける。
「ええ、そうよ。だって、あんたたちケガしてて、使い物にならなさそうだったし。」
「銀時には言っているのか、緑。」
今度は小太郎がこちらを向いた。
「………いや。」
「なぜ言わんのだ!あやつも相当心配していただろうに!一見くーる・がいだが!!」
「くーる・がいって何よ。」
……まあ、確かに言ってないけど、いいじゃない。
銀時が心配?……まさか。
だって、今まで一回も部屋を尋ねてきたことすらない。
そんなわけ………ない。
「内心ではってことだろうよ。察してやれ。」
「……絶対心配なんかしてないって。部屋にきてくれてもないんだから。」
「………そうか?」
そうよ。そうに決まってる。
「…………ていうか、まだ了承もらってないんだけど。いいわよね?陣地移動しても。」
また何か黙りかけている。
「………何よ、意見はないわけ?」
「……………緑。」
小太郎が何かを考えるようにしながら私を見る。
「ん?」
「これはあくまで俺の考えなのだが………。………江戸城まで待てないか?」
………江戸城まで?
「理由は??」
「緑、よく見てみろ、今の状態を。仲間はすでに衰弱している。こんな状態で今から陣地を移動しても、仲間の数が減るだけだ。それだけじゃない。江戸城はある程度把握しているが、別の城のことなど、調査も何もしていない。そんな状態で乗り込むのか……?」
………確かに、それもそうか……。
私が折れようとした時だった。