第13章 時はやってくる
その後、僕と銀さんでなんとか全員分作り終えた。
僕はあんまりそのとき何をしたのか覚えていなかった。
ただ、銀さんの言葉が頭から離れなかった。
銀さんは、以前『家族はいない』というようなことを言っていた。
でも、確かに昔はいたんだ。
そういえば、緑さんと銀さんって、昔からずっと一緒にいるんだったっけ。
やっぱり、その間にも親みたいな人はいたのだろうか。
そんなことを思うと、少し胸が痛んだ。
それはやっぱり、現代に帰ったら即本人に聞かなければ。
~沖田SIDE~
二カ月なんて、俺達からしたら一瞬だ。
戦況とかは簡単に頭になぜかはいっていたが、実際は瞬きを二回するとそんなくらい時間がたっていた。
坂本さんがいなくなった陣営は少しというかだいぶ暗く、やはりどれだけ坂本さんが大事な存在だったかというのがわかる。
ここ最近はまともに四人の会話を聞いていない。
桂と高杉はよくしゃべっているが、旦那は誰とも目を合わせようともしないし、姉さんはずっと部屋に閉じこもっている。
そう思いながらなんとなく庭を見つめていると、足音が聞こえた。
「ああ、こんなところにいたんですか、沖田さん。」
「探したアルヨ。」
振り向くとそこには新八君とチャイナ。
「…どうでしたい、陣営の様子は。」
「全然だめですね。」
新八君はそういうと座り込んだ。チャイナも続く。
「みなさんしゃべろうともしません。前までは毎日のように宴会だったのに…。」
「仕方ないアル。食糧が足りないネ。前はもじゃが資金を負担してたからなんとかなったケド、今はそんなもじゃもいないネ。」
「だよねいー。」
まあ、予想していた答えだ。
俺は口を開いた。