• テキストサイズ

美しき銀の刃

第12章 星空の下で


~緑SIDE~

辰馬がここを去ってからもう二カ月が経とうとしていた。

その間に、戦闘は計26回。

一週間に3、4回の確率で起こっていた。

拠点も、少し江戸に近いところに移動した。

最近、天人が勢力を拡大していて、五年前と比べると、常識を超えた強さだ。

隊士達も、最近はもう疲れ切っていて、ろくに会話をしない。

もうそろそろ限界なことはわかっていた。

でも、もうすぐで奪還できるのだ。

今のところ、あの人がいるとされている城までそう遠くない。

今までは江戸城にいたとされていたが、なんの理由があってか、移動したらしい。

今が大きなチャンスだ。

作戦をずっと練っているが、なかなかいい案は浮かばない。

もう一度拠点を移動しないと、作戦がうまくいかないかもしれない。

そんなふうに考えていると、部屋に誰か入ってきた。

「失礼します。」
「あら、新八。どうしたの?」
「もうすぐお昼なので、今日は僕が作ろうかなって。」
「え?でも今日の当番は晋助でしょ?」

家事は基本的に私が全てしているが、さすがにそれはいけないだろうと、小太郎が料理だけは当番制にした。できたらすべて当番制がいいというのが私の希望だ。

「あ…。でも高杉さん腕ケガしてるじゃないですか。だから僕が代わりにしようかな~って思って…。」
「あ…。」

つい三日前の戦闘で、驚きなことに小太郎と晋助が負傷した。

晋助は腕を、小太郎は足をやられていて、また次くる戦闘に参加できない状態だ。

「そ、そうね。でも料理できるの?」
「あ、それは問題ないです。こう見えても僕、姉上の料理とか今まで作っていましたから、料理は得意なんです。」

へー…。姉上、ねえ。

「じゃあ、お願いするわ。」
「はい!」


そういうと、新八は部屋から出て行った。
/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp