第12章 星空の下で
俺達はしばらく聞いていることにした。
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「どこらへんから聞いとったんじゃ?」
「ん?緑はーーんあたりから?」
「いや、そんなには伸ばしとらん。」
そういうと、坂本さんはため息をついた。
「んじゃあ、おんしにも話さないといけんな。」
「何をだよ。」
そういうと、坂本さんは話始めた。
「わしは…そうじゃな。」
辰馬さんは寝っころがった。
「決めた!わしゃあ空にいくぜよ!」
旦那は黙って聞いている。
「このまま地べたはいずりまわって、天人と戦ったところで先ば見えちょる。」
旦那は寝っころがった。
「わしらがこうしている間にも、天人はじゃんじゃん地球に来ちょるきに。押し寄せる時代の波には逆らえんきに。」
そういうと、辰馬さんは起き上がった。
「こんな戦ば、いたずらに仲間ば死ににいかせるようなもんじゃ。…わしゃ、もう仲間が死ぬところは見たくない。」
少し悲しそうな表情が、一転した。
「これからは、もっと高い視点をもって生きねば駄目じゃ。地球人も、天人も、いや、星さえも見渡せる高い視点をのう。」
いまだに旦那は黙ったままだ。
「だから、わしは空にゆく。空にでっかい船浮かべて、星ごとすくいあげるでっかい漁をするんじゃ。」
坂本さんの言葉に、真剣に耳を傾けている俺達だった。
「…どうじゃ銀時。おんしはこんな狭い星ば閉じ込めておくには、もったいない男じゃき。わしと一緒に…。」
そう笑って旦那のほうに顔を向ける。
俺達もすかさず旦那をみた。
旦那はすでに眠っていて、坂本さんの話なんて聞いてなかったようだった。
「あ、あはははは!あははははは!天よ!!こいつに隕石ば叩き落としてくださーーーい!!あははははは!」
旦那は相変わらず寝たままだったが、少し体がピクリと動いたのは、気のせいだったということにしておこう。