第12章 星空の下で
そういうと、辰馬も起き上がった。
「…でも辰馬。あんたがいなくなったら…。」
「…わかっちょる。士気が落ちることも、充分にわかっちょるつもりじゃ。わかっちょる…つもりじゃ。」
少し悲しそうな顔をした。
「……でも、まあ辰馬がそう決めたんだったら、とことんそうすればいいと思うわ。辰馬の生きたいようにいけばいい。」
そう。だって、辰馬の人生だもの。
「緑はん…。」
少し感動しているようだ。
そのあと、いきなり辰馬が私のほうへ向いてきた。
「?辰「緑はん。」
真剣なまなざしで辰馬は私を見つめた。
私はしばらく黙っていることしかできなかった。
「…………緑はん。」
「な…なに?」
辰馬は一呼吸おいて声をだした。
「わしと…わしと一緒に暮らさんか。」
どれくらいたったのだろう。
10分?それとも5秒?でも、そんなことはどうでもよかった。
頭が真っ白になった。
驚いて声もでなかった。
私はただただ辰馬の顔を見ていることしかできなかった。
虫の音がよく聞こえた。