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異世界転生は自由を

第1章 異世界転生


世間で有名となった異世界転生。そう言えば、アニメでこんな空間を見た事はあった。でも、まさか私自身が神様の失敗で命を失う事になるなんて思ってもみなかった。

咽び泣く自称・神様を見下ろしたままどうすればいいのか思案する。申し訳ない・すまなかった・ごめんなさい・・・この言葉を、何度聞いたか分からない。

「一先ず、説明して貰えますか?」

おじいさんが顔を上げては、泣いたまま説明をしてくれた。

要約すれば、死ぬのは元カレの方だったらしい。そして、その死ぬ予定だった元カレは今も元気に生きているそうだ。では、何故元カレが死ぬ予定だったのか。

それは、浮気相手が他にもいて、元カレが私への復縁を望んでいるのを見て逆上した結果だそうだ。他にもいたのか・・・浮気相手。

「それで、私はどうなるんですか?テンプレ通りなら、生き返る事は出来ないんでしょう?」
「お、仰る通りです。」

自称・神様から敬語だ。

「じゃあ、更に言うと他の世界なら生きられると?」
「お、仰る通りです。」
「じゃあ、私からのお願い聞いて貰えますよね?」
「お願い?」
「聞いて貰えますよねぇ?」

どうやら、圧があったらしい私の声に自称・神様は何度も頷いていた。

「言質は取りましたからね?じゃあ・・・・・・・。」

自称・神様が真っ青になるくらいのお願いをして、最後にこう付け加えた。

「私の人生を、私自身が決められる環境で生きさせて欲しいです。」
「わ、分かった。聞き届けよう。」

最後に、もう一度、謝罪の言葉を聞いてから私は異世界に飛ばされた。そう・・・世間で有名だったラノベの世界に。それも、悪女で有名な悪役令嬢として。

「アレキサンドリアお嬢様、お目覚めになられましたか?」

大層な名前だなと思いつつ、私の顔を覗き込むメイドらしき女性に気付き私は慌てて上半身を起こした。

「えっと・・・アレキサンドリアって誰のこと?」

メイドらしき女性は驚いた顔をして、直ぐに部屋を出て行ってしまった。遠くからでも、お医者様っ!!と声が聞こえて来る。

暫くすると、年配の医者らしき人が私を診察する。会話の中で、今の私は夜会の帰りにある人から突き飛ばされて転んだ拍子に頭を打って意識を無くていたらしかった。

こんな時でも、この身体の家族は見舞いにも来ない。
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