第5章 互いが住む世界
千明side
車に戻ると俺はすぐ眠ってしまっていた。
その所以か、家に帰りつくのが早く感じた。
フェロモンは相変わらず俺から放たれており、体の痛みもあってか歩くのがやっとだった。
佐野は直ぐにお風呂の準備してくれていた。
俺は殴られた頬を冷やす為に保冷剤を手に取って頬に当てた。
「痛っ……」
「千明、平気か?」
お風呂掃除を終えた佐野は救急箱を持って部屋に入ってきた。
先程までご飯をくれと鳴いていたクロが大人しくリビングへ行ったまま帰ってこない。
ご飯もあげてくれたのだろう。
「うん、まだ痛むけどこれくらい平気。」
優しく消毒をして、ガーゼを当ててくれた。
「ありがとう。」
「明日病院に行こう。ちゃんと見てもらおう。それから警察にも。」
「うん。」
佐野とリビングに戻ると、抑制剤を飲もうと佐野が手に錠剤を出した。
流石に耐えれなくなってきたのか。
それを何故か俺は佐野の腕を掴み止めた。
何馬鹿なことをしてるんだと思った。
でも体が勝手に動いたんだ。
「千明?」
「ごめん。」
振り向いた佐野に俺は少し背伸びをして口づけをした。
「お前何やって……」
「俺も好き、あんたのこと好き//」
「……千明……」
そのまま佐野は俺に噛み付くような口づけをしてきた。
俺もそれを受け入れ舌を絡める。
「んっ//」
さっきまで興奮してなかった佐野はついに耐えられなくなっていた。
やっぱり我慢してたんだ。
「さのっ……すき//」
「俺もだ//」
「んっふ……んは……はぁ……ん//」
俺の首筋にキスを落としリビングのテーブルの上に俺を押し倒した。
佐野は余裕がないのか、服を脱いでいく。
こんなに興奮状態の佐野を見たのは初めてだった。
「まって……ベッド行きたい……//」
「わかった。」
腰が抜けていた俺を正面からそのまま抱き抱え、佐野は自分の部屋に向かった。