第5章 互いが住む世界
千明side
「ん゛っ……あっ//」
静かな暗い森の中、俺の小さく苦しむ喘ぎ声と男の乱れた呼吸が響く。
恐怖で身動きが取れない俺はされるがまま体を委ねるしかなかった。
殴られた頬がまだ痛む。
フェロモンは変わらず俺から放たれ、男たちをより興奮させている。
早く終わってくれ。
「ごめん……なさ……ひぐっ//」
「お前嫌がってる割には感じてんじゃねぇかよ。」
違う。
これはフェロモンのせいで本当は望んでいない。
それでも何度も俺は果てている。
こんな体最悪だ。
「出すぞっ!」
「っ!だめっ!中はだめっ!」
男の腰振りが速くなり必死に逃げようとするがもう1人の男に後ろから両足を広げられ拘束されている為逃げることができない。
「だから大人しくしてろって!」
「う゛っ!」
また殴られた。
先程よりも痛い。
口の中が切れたのか鉄の味がする。
「ひっ……やらっ……うぅっ//」
誰か……助けて……
いっその事もう殺してくれ。
そう願った時俺の大好きな人の声が聞こえた。
「千明!おい!お前ら何やってんだ!」
佐野だ。
来てくれた。
でもこんな姿見られたくなかった。
「さのっ……ごめっ……ごめんなさっ」
「やべ、まじかよ。逃げるぞ!」
男たちは慌てて俺から手を離し逃げていった。
「おい待て!」
佐野が男たちを追いかけようと俺の横を通り過ぎようとした。
「さのっ……まって……行かないでっ」
「千明っ!何でこんな……」
佐野は追いかけるのを辞め、羽織っていたジャケットを俺に掛け抱きしめてくれた。
「殴られたのか?!」
俺の左頬を見て驚いていた。
そっと撫でようと僅かに佐野の指が触れた瞬間痛みが走った。
「いっ!」
「すまん!あいつら……」
まだ俺からフェロモンは出ているはずなのに、佐野は全然興奮している様子がない。
暗くても目が潤んでいるのがわかる。
本当に心配してくれている顔だ。
それを見て俺は再び涙が溢れ出た。