第2章 予感
千明side
「んっ……?!//」
何これ……
何だこの状況……
何でコイツ俺にキスなんかしてんだ!?
色々な事が起きすぎて頭の中がぐしゃぐしゃだ。
「……風呂入ってこい。風邪ひく。」
「へ?……あ、うん//」
コイツ何でそんな冷静にいられるんだ??
今キスしたよな?
俺寝ぼけてた?
そんな事を考えていると腕の中でクロが「にゃー」とひと鳴きして、首を傾げていた。
唇に指をそっと這わせる。
感覚が残っている。
まだ熱い。
寝ぼけてなんかいない。
やっぱり現実だった。
「え?どういう…え??//」
疑問を持ちつつ濡れた体は気持ち悪かった為お風呂に入った。
その間もずっとキスされたことを考えていた。
お風呂から上がるとテーブルにはご飯が準備されていた。
佐野は寝る準備をしている。
「……なぁ…お前さ……」
我慢できなくなり俺は佐野に尋ねていた。
「なんだ?」
「いや…その……あ、何でここにクロが?」
「仕事中にたまたまお前が猫にご飯あげてるのを見かけた。雨も酷くなったし心配になって見に来た。そしたら既にずぶ濡れだったから拾ってきた。」
拾ってくれた人が佐野で良かった。
心からそう思った。
変な人だったら虐待するかもしれないし。
「そ、そっか……あとさ…//」
1番聞きたい事は何故か口篭る。
これを聞いて引かれないだろうか。
でも気になって仕方がなかった。
「お前……俺の事好きなの……?//」
聞いてしまった。
たださっきのキスの意味が気になった。
佐野の性格からして、絶対に好きな人意外とはキスやスキンシップをしないだろう。
それなのにどうして。
佐野は唇に指を添わせ考えていた。
いや、そもそもそんなに考える事なのか?
数秒待つと佐野が口を開いた。
「……分からない。」
「は?…」
俺は佐野のその言葉にただ立ち尽くすしか出来なかった。