第3章 ドズルさんの守護霊2
「え?」
こんな話をされたら、誰だって不安だろう。けど私が気にしていたのは、そこではない。
守護霊というのはありとあらゆる悪いことから避けたり守ったりしてくれるもので、珍しいことにドズルさんには、奥さんの生き霊が守護霊として憑いていたのだ。
ドズルさんの守護霊は生き霊だった。と考えると、奥さんに何かあったのでは、と思い私はドズルさんに聞いてみたのだ。
「奥さんに何かありました?」
「いや……何もないけど……」
キョトン顔を返すドズルさん。そっか。それなら良かったんだけど……私の不安が拭えた訳ではなかった。
守護霊には、予知霊もいるらしいということ。
それは、前に白蛇さんがスマホにブックマークしてくれたサイトにも書いてあった。予知霊はこれから起こる何かを暗示している。それはいいこともあるけれど、悪いことでもある。どちらかまでは分からないが、私はこれだけは伝えなくてはと思ったのだ。
「これからより気をつけた方がいいかもです。私が言えるのはそれだけなんですが……」
しかしドズルさんは、大口開いて明るく笑ったのだ。
「ハッハッハッ! 気をつけるのはいつものことだよ。見えても、見えなくてもね」とドズルさんは言う。「でもありがとう、教えてくれて。知っているのと知らないでは、構え方が違うからね」