【ヒロアカ】change the truth【R18】
第2章 目を開けるとそこは
目が覚めると、辺りはまったく見覚えのない場所だった。
目の前には巨大な門がそびえ立っている。その威圧感と異様な雰囲気は、どこか現実感がなかった。
「ここ、どこ?」
先ほどまでいた所とはあまりにもかけ離れた風景。刺された瞬間の痛みは不思議と消えていたが、服は血で濡れ、冷たく張り付いている。
状況が飲み込めず、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
「これ......死んだら通る門、みたいなやつ?」
半ば自嘲気味に呟いた言葉は、虚空に溶けて消えた。
意を決して、門に歩み寄る。表面の鉄の装飾にそっと手を触れてみた。冷たい感触が指先に伝わる。そのリアルさに、これは夢ではないかもしれないと不安が募る。
その時一一
「おい、君。そこで何をしている」
背後から低く響く声が、静寂を破った。驚きに息を呑み、慌てて振り向く。そこには一人の男が立っていた。