第2章 目を開けるとそこは

乱れた長髪に鋭い目つき。全身黒ずくめの服装に、首元にはバンデージのようなものが巻かれている。その姿には、どこか疲れ切った雰囲気が漂っていた。

ーー見覚えがある。

記憶の奥から、フラッシュバックのように蘇る映像。
そして思い出した。梨花がスマホで見せてくれた漫画のキャラクターだ。

この人……相澤消太先生！

頭の中に梨花の熱弁がよみがえる。「絶対タイプだよ！」と見せてきた、あのキャラクターそのものだった。

そっくりなんてもんじゃない......いや、これ完全に相澤先生じゃん！

目の前の男は、漫画の中の彼そのままの姿だった。整った顔立ち、無愛想な目つき、どこか疲れた表情一一全てが一致している。

どういうこと......？死んだから最後に気になったキャラクターに会えるとか、そんな感じ？