【ヒロアカ】change the truth【R18】
第1章 プロローグ
何が起こったのかわからなかった。ただ、痛みと冷たい感触が私を襲う。ぶつかった勢いで地面に倒れ込む。手が反射的にお腹を押さえると、そこには生暖かい赤い色の液体が広がっていた。
「いたい……なにこれ……」
視界がぐらりと揺れる。男の姿はいつの間にか消えていて、ただ静かな夜道に自分の荒い呼吸音だけが響いている。
刺されたの……?
目の前がぼやけて、冷たい地面の感触が遠のいていく。そんな中、胸の奥に湧いたのは、怖さよりも奇妙な諦めだった。
このまま死んだら、異世界に転生できたりして――なんて、非現実的なことを考えながら、意識がだんだん薄れていくのを感じた。
もし転生できるなら……さっき読んでた漫画の世界とかいいかも……
最後にそんな馬鹿げたことを思い浮かべたところで、意識は完全に途切れた。