【ヒロアカ】change the truth【R18】
第2章 目を開けるとそこは
「その個性が何なのか、どういった性質を持つのかは、今回の検査では特定できませんでした」
まるで空気が一瞬止まったようだった。隣の相澤先生が、わずかに眉を動かして医師を見つめる。
「そんなことがあるんですか」
低く落ち着いた声に、微かな驚きがにじんでいるのがわかる。いつも冷静な相澤先生が、その口調を僅かでも変化させるほど、予想外の結果なのだろう。医師は申し訳なさそうにうなずいてから、説明を続ける。
「極めて稀なケースではありますが、個性が何らかの理由で“潜在”状態にある可能性があります。今後、生活している中で急に個性が発現し、判明する可能性がとても高いので、慎重に観察を続ける必要があります」
思いも寄らない結果に、驚きと不安が入り交じったまま、私は医師の説明を聞き続けていた。
「周囲に被害が及ばないよう、慎重に対応する必要がありますが、イレイザーヘッドが彼女のそばにいるなら、急に個性が発現し暴走することがあったとしても、対処できますし安心ですね」