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深淵もまた覗く[dzl]

第29章 夢現


「あれ……」
 僕は、気づいたらいつもの配信部屋の机の前で座っていた。目の前にはアツクラのかわちぃ家の中。まさか配信をつけっぱなしだったのでは、と確認してオフラインであったことに安堵する。
 あれから何があったんだっけ……僕は思い出そうとしたが、蘇るのはゲームのような世界で、四人のメンバーと会って不思議な冒険をしたことしか思い出せない。まさか、この椅子に座ったまま寝ていたのかと時計を見、みるくに聞いてみても、おおよそ十分程度しか経っていないことが分かるだけだった。
 あの長時間大作のような夢の中が、十分しか経っていないと?
 僕は自分の配信がついさっきで終了していたことも確認し、僕はそのほんの十分の間に、不思議過ぎる夢を見ていたんだと納得する他なかった。
 どこからが夢だったのか、と配信アーカイブを見直せば分かるだろうが、一番恐ろしいのは、どこまでが現実だったのか自分でははっきりとしていないところなのである。
「はぁ〜……嫌な夢を見た」
 でも、悪い気はしなかった。ちょっと楽しかったし。
 僕、自分が思った以上にみんなのことを頼りにしていたんだな。
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