第3章 もう三年生になったよ〜あっという間の時間。
かの有名な尾白アラン君が目の前に!?
嘘?本当!?
目が点になって見つめていると、信ちゃんから自己紹介は?と言う圧をじーっと見つめてかけてくるので自己紹介をすることにした。
どんな推しでもステキ!と思っちゃう私も重症である。
『えっと、北で、す。し、兄がいつもおせわになってます。よろしゅぅお願いします。』
私の人見知りも炸裂しているもの、初対面にしては割と良くないか?とアラン君を見てから、信ちゃんを見る。
「おん、初対面にしては上出来や。同じバレーボール部のとこの同じ学年の友達や、仲ようやってる。」
機嫌の良い信ちゃんがアラン君を紹介しニコニコである。
普段あまり友達をお互いに連れてくることが無いからというのもあるが、新鮮な感じもあってそれも良い。
「そう言われると照れるやん!…ってか、むちゃくちゃええ匂いするんやけど、ご飯作ってた感じか?」
アラン君がクンクンと匂いを嗅ぐもんだから、は!!とご飯作り中のことを思い出した。
『信ちゃん、今ご飯作っててん、戻るね。』
一言だけ声をかけ、慌てて台所へ向かう。
良かった、焦げてる様子も火事になっていることも無い。
『ふぅ…あ、お茶とか出した方がええよな、きっと。』
コンロの火を止め、お盆の用意をする。
あ、もしかしていい匂いとか言ってたからご飯の方がいいのかな?
部活終わりだし。
信ちゃんに直接聞くしかないか。
お盆にお茶と茶菓子を乗せて、信ちゃんの部屋へ向かう。
ノックすると、入ってええよとの声が聞こえたので入ることに。
『失礼します…。』
入ると仲良くしているようで、二人で談笑中のようだ。
マイナスイオン発射されすぎて、ここの部屋だけ特別に感じてしまうやろ!?
なんてことは言えないので、心の中だけに留めておこう。
推しに引かれたら困るし、まだ嫌われたくは無いかな。
『お茶どうぞ…』
おずおずと信ちゃんの机に置く。
『もし良かったらですけど、ご飯食べはります?』
「ええの!?さっきからお腹ペッコペコやってん!」
アラン君は目を輝かせてこっちを見るもんだから、眩しすぎて信ちゃんを見る。
「せっかくやし、アランも食べていき。親には連絡するんやで?」
あぁ…こっちもこっちであまり見れない信ちゃんの笑顔に心打たれる…。
どっちも眩しすぎる!!
